疾患の解説
化学療法と活性化リンパ球療法を行った非T/B大顆粒リンパ球リンパ腫のネコの長期生存例
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35821777
背景
猫の大顆粒リンパ球リンパ腫(LGLL)は予後不良である。しかし、猫のLGLLに対する化学療法と活性化リンパ球療法の同時治療の有効性は評価されていない。
症例の説明
7歳の去勢された雄の飼い猫が、消化器症状と腹部腫瘤を呈した。腫瘤のTru-Cut生検でLGLLが発見された。この猫はシクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン、L-アスパラギナーゼの化学療法に良好に反応した。さらに、補助療法として活性化リンパ球療法が追加された。この猫は初診から982日生存し、有害事象はほとんどなかった。剖検が行われ、免疫組織化学的に腫瘍性リンパ球はCD3-/CD20-細胞であった。最終診断は非T/B LGLLであった。
結論
本症例では、身体的負担が少なく、化学療法に対する初期反応が良好であったことが長期生存に寄与した可能性がある。さらに、活性化リンパ球療法は安全に実施可能であり、ネコの非T/B LGLLに対する実現可能な治療法である可能性がある。