外科Surgeryは「手の技」を表すラテン語を語源としています。
外科においても、エマージェンシーにおいても語源が示す通り「手の技」が身についていないと医療としての価値を提供することができない分野だと言えます。
獣医師だけではなく、動物看護師においても国家資格後にカテーテルでの処置や心肺蘇生処置が業務に加わることを考えると、外科/エマージェンシー分野の習熟は重要なテーマであると考えられます。
一方で、臨床現場で「手の技」を手取り足取り教える人的/時間的な余裕がなかったり、また「手の技」は個人の感覚に依存する点も多いため、どうしても行き当たりばったりな対応を繰り返しがちです。
そして、「エマージェンシー」と「外科」ほど現場での経験や練習が重要な分野もありません。
例えば、実際のエマージェンシーは教科書通りではなく、院内の人的リソースや外来の状況など、さまざまな状態が入り乱れるマルチタスクを優先順位を立てて行っていく必要がある複雑な分野です。
そのため、今回のセミナーでは、現場でどのように考えてエマージェンシーの対応しているのか、また外科の合併症や術後管理まで含めて考えるサージカルプランニングはどういうものなのか、を通して「手の技」を現場で習得するための考え方を参加者の皆さんにも学んで頂けたらと考えています。