お知らせ
退職のご挨拶:獣医師 古里(3月末日まで)
今年の3月をもちまして、品川WAFどうぶつ病院を退職することとなりました。
直接お伝えすることができなかった患者さん、ご家族の皆様、文面での報告になってしまい、申し訳ありません。
診ていた患者さんの中には、途中で他の獣医師に治療を引き継ぐ形になってしまった方もいます。
最後まで責任を持って診ることができず、申し訳ありませんでした。
しっかりと情報共有をしていきますので、どうぞご安心ください。
4月からは、大学院に進学しつつ、二次動物病院で臨床と研究開発の仕事を行います。
これからは臨床疫学という研究分野から、大切な動物さん、ご家族の幸せを支援できるよう、獣医療の発展に貢献していきます。
元々、獣医学/生物学の研究者になるつもりで、獣医師を志しました。
当院で3年勤めたあとは、研究の分野に進む計画でしたので、予定通りという形です。
入職してからの3年間は、本当にあっという間でした。
そして、臨床から離れることが、WAFから離れることが、こんなに名残惜しく寂しいことだとは思いませんでした。
病気にならないよう、適切な予防、適切な飼育を心がけて下さったこと
様々な理由で遺棄された動物たちを保護し、再び幸せな生活を提供して下さったこと
嵐の日も熱暑の日も工夫して通院し、治療とケアに励んでくださったこと
病気を受け入れ、一秒でも長く穏やかに一緒に過ごす決意をされたこと
苦しく辛い病気を患いながらも、懸命に闘ったこと
私は、患者さん、ご家族のそのような姿を見ていつも勇気付けられていました。
皆さんのいのちを愛し、大切にする気持ちに触れ、心を動かされることが何度もありました。
獣医療の限界に直面し、悔しい思いをすることも多々ありましたが、
患者さんとご家族が懸命に闘った姿や、快復して元気な姿を見せてくれたとき、笑顔で来院してくださったとき、いつも私のほうが救われていました。
患者さんの元気な姿やご家族の笑顔を見ることができないと思うと、本当にとても寂しい気持ちですが、
これからは、研究という視点から獣医療の限界を少しずつ広げて、穏やかで幸せな、人と動物の暮らしを支援できるよう邁進していきます。
診察に関わらせてくださった患者さん、ご家族の方々、信頼してくださった方々、本当にありがとうございました。
皆様が末永く健康で幸せに過ごせることを、心より祈っております。
2023年3月吉日 古里司紋